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  • うめざわしゅん

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うんざりすることにもうんざりして毎日更新される世界中の感染者死亡者の表とグラフを見てゐた所為で他者を数字として捉へることの根本的な危ふさに麻痺してきた。

それが疫学的経済政策的に必要だといふのは勿論その通りだらうが、そもそも必要なるものは全て気狂ひじみてゐる。死者数を論つて指揮官気取りで「対策」を披露してゐる連中に吐き気を感じないなら相当まづい状態だがその方が適応し易いのでこの世は既に詰んry

カウントする側とされる側は、拷問者と拷問台に乗る犠牲者の関係に等しく、拷問者の側も無傷では済まない。そのリスクは単に自分自身も客体化される対象に転落しかねないといふだけではない。

頭数を数へる行為そのものが己の主体としての存在イメージを致命的に蝕む。それはつまり無意識の自己軽視、自己蔑視、被虐だ。自身を数字へと貶める醜悪なマゾヒズム。

人格の定量化はdemocracyそのものに常につきまとふ危険でもある。

民主政治に於いては自他は等しく平等な一票と見做すことが素晴らしいとされるが、そこから他者を「票田」と見なすまで半歩の差しかないのではないか?

頭数を数へることばかりに執心する脳内デモクラット。此奴は現実の政治家ども同様に吐き気を催させる。

さういへば少し前、芸能人やら漫画家やらの政治的発言の是非、といつたやうなクソ下らない議論以前のカスみたいなことが話題に上がつてゐたが自分としては政治なんぞに関はるのは心底うんざりだと叫びたくなる。本当に重要なのは政治以外の凡てだからだ。

政治以外の大半、つまり世界のほとんど全部は一人一票などではなく一人一宇宙なのであつて、これはまつたく「平等」を意味しない。

同じ測りで計測して比較できることが前提の「平等」といふ言葉がもはや何の意味も持たなくなる、さういつた地平がある。最良の政治がそこでは精々下僕の役目を果たすだけだらう。

結局私の興味はいつもその地平のとある一点へと収斂してゆき、反対にあらゆる現実がそこから猛烈な速度で遠ざかつてゆく。この目眩。

「支持者(清き一票likeいいねgood)の数をカウントし自らのランキングを以つてその価値とする」といふのは最底辺の貧しい自己承認のやり方で、それは餓死寸前の時に仕方なく食べる木の皮みたいなものなのだが、宜なるかな基本この国の人間はそれ以外の方法を知らない。畢竟大人がこの「世論調査式」の貧しい価値観以外持ち合はせてゐないのだ。

それにしてもここ数年の電脳空間は木の皮を嬉々として食らふ連中が溢れ返つて強烈な臭気を放つてをりHellみがどんどん増してきた。最近はしばらく眺めてゐるだけでも肥溜めに浸かつたやうな気分になるので衛生上なるべく控へてゐる。


といつて現在のSNSがこの定量化の傾向を云々かんぬんとかその辺は最早どうでもよくて。

大体インターネットが地獄なのは今に始まつたことではないし現実の地獄を反映してゐるからでもない。もともと全部がリアルであつて現実以外何ひとつ存在してゐない。欲望の再生産と増幅を続けることが現実それ自体の特質といふだけだ。

「現実⇔ネット」といふ構図そのものが勘違ひの賜物であり、その時に頭に浮かぶ「現実」こそが完全なバーチャルと言へる。

電子の網はみな人間の仕様に沿つて構築されてゐて、個人の脳がそのシステムをフィードバックして神経網を配線する。たぶんこのまま数世代重ねればネット環境への適応が遺伝子レベルでコードされるだらう。

その数が閾値を超えると新たな文化とか文明と呼べるものが立ち上がる。政策だの法だの常識だのは常に一番鈍くて遅い。

とすればテクノロジーの発達には今後もどしどしスピードを上げて貰ひそれらの鼻先を引き摺り回してほしい。ひよつとすると遠い未来、宇宙が閉じてゐるとするなら、例のあの地平で逆側から現実と和解を果たす日がこないとも限らない。

マリオブラザーズ(1983)でマリオが走つて画面の右へはみ出すとひよつこり左から現れるイメージで。

ところであのマリオの目には前方と後方に文字通り永遠に続く自分自身の背中が映つてゐた筈だ。彼はとつくに気が狂つてゐたのだらうか。







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